「修繕計画」の基礎知識3

「修繕計画」の基礎知識3

2017/02/14

早速ですが、今日は「標準的な長期修繕計画の考え方」について
説明していきたいと思います。
 
まず、長期修繕計画の作成・変更管理組合の義務であるということ。
とはいっても・・・
 
【問題点】
1)計画期間、修繕対象項目、修繕周期、修繕工事費、作成精度が多様
2)分譲時に策定された長期修繕計画の例は多いがある程度経年化した
  マンション例が少ない
3)修繕工事費の内訳や算出根拠が示されていない場合がありどの程度
  の適格性があるのかわからない
4)予算に応じた長期修繕計画の作成方法を選択したい
5)誰に依頼して作成したらよいかわからない
などがあります。
 
分譲会社や管理会社が作成した長期修繕計画表の中には、大きな工事種目だけ
表に落とし込んだものが多く、その根拠となるべき細かな工事項目、内訳明細が
添付されていない場合や管理物件すべてにおいて図面から算出した数量に同じ
単価を乗じて算出されている場合が多く、個々の立地や形状、現状の劣化状態等
が反映されていない場合もあります。
また、大手管理会社専門の工事スタッフが作成している場合が多いが、中小の
管理会社の場合は協力会社から工事見積を取得しそのまま修繕計画に反映して
いるケースもあり、いざ修繕を行う際に資金不足になるケースもあります。
また、冒頭にも書いた通り、長期修繕計画の作成、変更管理組合の義務であり、
総会での決議項目となっており、提出されたものそのままではなく、理事会等で十分
検討する必要があります。
 
また、設計事務所や大規模修繕コンサルタントなどの専門家に依頼する場合に
以下の書類が必要となります。
  1)竣工図(建築・設備・外構)
  2)工事の履歴(見積書等内容がわかるもの) ※まとめられていない場合が多い
  3)各種点検報告書
  4)直近の管理組合予算書・決算書等の財務諸表
  5)直近の長期修繕計画表 ※保管されていない場合が多い
 
計画期間 : 建築関係の大規模修繕工事を必ず2回含む25年以上の期間とすること。
         大規模修繕工事が12年サイクルの場合は25年とするケースが多い。
         新築の場合は30年以上としほぼすべての修繕項目を含む。
 
高経年のマンションはそれまでなかった修繕項目が新たに加わり、修繕費が極端に増大
する可能性があり、積立計画期間との関係に配慮する必要があります。
 
お疲れさまでした、次回は「修繕対象項目」について書きます。