失敗しない大規模修繕とは

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大規模修繕を成功に導く5つのポイント

「NPO法人 ECO-ECO建物再生推進協会」では、管理組合様や理事長様の立場に寄り添った、費用的にも環境的にもメリットのあるマンションの大規模修繕コンサルを行っています。大規模修繕で失敗しないためにはさまざまな点に注意する必要があります。こちらのページではその5つのポイントと、近年管理組合様から選ばれる「設計監理方式」についてご紹介します。

ポイント1:必ず建物の劣化状況を診断する

「長期修繕計画」はあくまで予想に基づくものであり、周辺環境や利用状況によって修繕すべき部位やタイミングは変わってきます。計画通りに修繕することが必ずしもベストではなく、非効率的な積立金運用となってしまう可能性もあるため、まず建物の劣化状況の診断を専門家に依頼しましょう。

ポイント2:所有者の理解・協力を得る

マンションの所有者全員で積み立てた修繕積立金を使って、共有財産である屋上や外壁といった共用部分に手を加えるのですから、合意形成は欠かせません。工事中の騒音や不便などの問題もありますので、説明会や書面などを通して、しっかりコミュニケーションを取ることがスムーズな進行につながります。

ポイント3:施工会社の選定は公平に行う

「居住者の○○さんの知り合いだから」といった特別な便宜で施工会社を決めると、後でトラブルが生じる可能性があります。施工会社は公募などで複数を集め、見積金額はもちろん施工実績や技術力、アフターフォロー体制なども考慮し、公平な判断のもとで選定しましょう。

ポイント4:予算に見合った修繕を心がける

大規模修繕工事は、一度に全ての工事を実施することが理想的と言われていますが、状況に応じて段階的に行うことも可能です。劣化の度合いや予算に応じて修繕箇所を選択し、効率よく工事を行うという選択肢も考慮に入れましょう。

また資金に余裕がある場合では、改良工事も選択肢に入れることによって、資産価値の向上につなげることも可能です。

ポイント5:コンサルタントは管理組合のパートナーを選ぶ

マンションはそれぞれで居住者や設備、積立金の状況などの事情が異なるため、コンサルタントは柔軟な対応が求められます。管理組合と同じ意識を持ち、全体がしっかりまとまるようサポートできることが重要です。また、下記のような条件を満たしていると、より頼りにできるでしょう。

チェックしておきたい条件
  • 修繕工事の仕様や工法についての専門知識がある
  • マンションの大規模修繕に関する実績がある
  • 管理組合の運営について知識やビジョンがある
  • コンサルタントの業務内容と費用が明確である
  • 管理組合としてコミュニケーションしやすい
  • 修繕工事を行った他の管理組合の評判が良い
  • 自分のマンションのように夢を提案してくれる

住みながら改修を行い、さまざまな調整が発生するマンション大規模修繕は、新築とはまったく違う難しさがあります。新築の実績が豊富だからといって安心せず、「大規模修繕での実績」を重視して探すといいでしょう。

PICK UP! ~「設計監理方式」が大規模修繕を成功に導く~

大規模修繕工事の発注方式は、「設計監理方式」と「責任施工方式」の二つに分けることができます。最近の傾向として、設計監理方式を選択する管理組合様が増えています。下記の図は二つの発注方式を比較したものです。

  設計監理方式 責任施工方式
特徴
  • 管理組合はコンサルタント(設計監理者)と設計監理契約を結ぶ
  • 管理組合は工事会社と工事請負契約を結ぶ
  • 管理組合は工事の施工会社と工事請負契約を結ぶ
契約形式 設計監理方式 責任施工方式
メリット
  • 管理組合の予算と要望を考慮して細やかな設計内容にできる
  • 適正な工事費用と条件で施工会社を選定でき、技術力・工事費・会社信用度などの査定が可能
  • 工事が適正に行われているか精査できる
  • 第三者を入れることにより、全組合員に対して 透明性をアピールし、合意形成がしやすくなる
  • 調査から施工まで一本化できるので、全てを任せることができる
デメリット
  • 工事費の他に設計監理費が発生する
  • 第三者によるチェックができないため、仕様や工事自体が適切に行われたか判断が困難
  • 同じフォームでの相見積りが取れず、比較が困難

※表は左右にスクロールして確認することができます。

設計監理方式は責任施工方式にくらべて第三者(コンサルタント)のチェックが入るため、施工の品質面や価格面に客観性を持たせることで、ブラックボックス化しにくくなるメリットがあります。

管理組合様が「設計監理方式」を選ぶ5つの理由

大規模修繕工事を発注する管理組合様の立場から見ると、設計監理方式を選ぶのには以下の理由があるようです。

1:管理費・修繕積立金用途の経済意識・問題意識を持っている
2:管理会社主導・一任の計画形態に疑問を感じている
3:管理組合側スタンスでの第三者を求めている
4:全管理組合員に対し、透明性・公平性のある予算執行を示したい
5:全管理組合員に対し、計画プロセスと責任所在の明確化ができる

上記の理由などから、管理組合様の「安心できる大規模修繕工事を行いたい」というニーズにマッチした設計監理方式が選ばれています。